大切なきみに

「みんなっ。‥俺さー…高校無理かもしれね」


太郎の突然の言葉に
みんな驚いた。

「なっ‥んで?」
わたしは聞いた。



「俺んちさ、片親だからさ。高校行かせる金ねぇらしいんだ。‥そりゃ俺だってみんなと行きたかったけどよ!‥‥だから働く道を選ぶよ。」

太郎は泣きそうだった。


「みんなどんな時もひとつだって」
れんが言った。





授業はさぼった。
みんなで大の字になって昼寝をした。
何にも言葉は必要なかったよね。
ただ青空の下で
気が済むまで寝て考えて悩んで‥



みんな口にはしなかったけど、だんだんバラバラになる気がしていたんだと思う。

不安で不安で‥


だけどやっぱり
落ち着くんだよね。
5人っていう空気は‥
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