ジュンアイは、簡単じゃない。
グラウンドまで走ってきたら……
思いの外呼吸が乱れて。
ヘナヘナと…しゃがみこんだ。
本当は。
あの人に……ピッタリだと思っていた。
上品な…、薔薇の香り。
みんなの憧れで、完璧な王子様のような…彼が。
イングリッシュガーデンに佇む…そんな美しい情景を想い描いて…。アレを選んだ。
妄想は、妄想に過ぎない。
完璧だと思っていたのが…、欠陥だらけ。
『「天才」?そんなの周りがそう言っているだけで、むしろ勝手なイメージをつけられて…迷惑してる。うわべしか見ていないって、証拠だろ?』
その通りだ……。
自分を棚に上げて、散々罵ったけれど。
人のこと…言えたもんじゃない。