ジュンアイは、簡単じゃない。
申し遅れましたが、私は……金築 ゆな。
高校3年。一応……受験生。
お察しの通りですが、学校の成績は…下の下。
ドンケツ争いに毎度顔出す…劣等生。
この、勉強ばかりの進学校での唯一の楽しみと言ったら…
3年間ずっと同じクラスの友人、古山桃子と…、同じく、安堂力と…下らないことで笑って過ごすこと。
私たちは、似通った成績……
それに……、それぞれに、『金』『桃』『力』と、昔話に出てくる主人公の名前を有していて。
『3バカ、3太郎』の名を…襲名(?)。
なにかとひとくくりに扱われる、知る人ぞ知る…仲良しトリオ。
この3人が集結すると、不思議な化学反応が起きるようで……
お陰で、うちのクラスだけ、受験から離れたお笑いクラスになっていた。
……って、私は誰に語りかけてるのさ…。
こうして、おセンチな気分が似合わない私が…本気で恋をしてるだなんて、誰が思うであろうか。
実際…冗談だと、笑い飛ばされるあたりが……
それを裏付けていた。