眠り姫はひだまりで【番外編】
む、と唇を尖らせていると、「あとは?」と言われた。
「…あとは、なんかないの?してほしいこと」
…して欲しいことでは、ないけれど。
私はひとつだけ思い当たったことを、口にした。
「…もっと、純くんのこと、知りたい」
彼は一瞬目を見開いたあと、何故かにやっと笑った。
「…何?それって誘ってんの?」
「違うわ馬鹿ーー!!」
なんでそーなるー!?
純くんの「ハイハイわかってますよ」という言葉に本当かなあと思いつつ、私は「なんでもいいの」と言った。
「血液型とか、好きな食べ物とか、嫌いな食べ物とか。なんでもいいの。知りたいの」
駄目?と言うと、純くんは穏やかに目を細めて、ううん、と言う。
「…いいよ。今日の帰り、いっぱい話そう」
「うん!」
そう返事をして、私はあることに気づいた。