眠り姫はひだまりで【番外編】


純くんの上から飛び退いて、小さな紙袋を掴む。

そして、驚いたように起き上がる純くんへ、それを差し出した。


「ハッピーバレンタイン!…アンド、バースデー!!」


そう言うと、彼は「誕生日、ついでみたいだな」と言って。

紙袋を受け取る王子様は、嬉しそうに笑ったのだった。







その日の放課後、帰り道。


色んなことを、純くんから聞いた。

血液型はAB型、好きな食べ物はぶどうで、嫌いな食べ物はトマト。

中学ではサッカー部に入っていたこと、理数系が得意で、英語が不得意なこと。

あとは、よく聴く音楽とか、犬が好きだとか、色んなことを、たくさん。


…純くんのお家のことも、聞いた。

ずっと気になっていたんだけど、訊けなくて。

でも、彼は意外にもさらりと、話してくれた。

お家はお金持ちで、お手伝いさんもいるけれど、ご両親はほぼいつも留守であること。

お母さんは弁護士で、お父さんは大手会社のお偉いさんで。


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