眠り姫はひだまりで【番外編】
純くんの上から飛び退いて、小さな紙袋を掴む。
そして、驚いたように起き上がる純くんへ、それを差し出した。
「ハッピーバレンタイン!…アンド、バースデー!!」
そう言うと、彼は「誕生日、ついでみたいだな」と言って。
紙袋を受け取る王子様は、嬉しそうに笑ったのだった。
*
その日の放課後、帰り道。
色んなことを、純くんから聞いた。
血液型はAB型、好きな食べ物はぶどうで、嫌いな食べ物はトマト。
中学ではサッカー部に入っていたこと、理数系が得意で、英語が不得意なこと。
あとは、よく聴く音楽とか、犬が好きだとか、色んなことを、たくさん。
…純くんのお家のことも、聞いた。
ずっと気になっていたんだけど、訊けなくて。
でも、彼は意外にもさらりと、話してくれた。
お家はお金持ちで、お手伝いさんもいるけれど、ご両親はほぼいつも留守であること。
お母さんは弁護士で、お父さんは大手会社のお偉いさんで。