眠り姫はひだまりで【番外編】
そのお母さんは実母ではなくて、お父さんの再婚相手であること。
実のお母さんは純くんがまだ幼い時に、家を出て行ってしまったこと。
それらを話す純くんの顔は、少し寂しそうだった。
「話してくれて、ありがとう」
私の家の前で来て、お礼を言った。
なんだか純くんの誕生日なのに、私の方がいっぱいもらっちゃったな。
笑いかけると、優しい笑みが返ってくる。
…嬉しい、なぁ。
「…ん。今度、色葉のことも教えてよ」
「うん」
そうして彼は、手を振って。
「バイバイ」
「うん。バイバイ、また明日!」
…少しずつ、近づいているかな。
王子様の隣が似合うような、そんな女の子に。
…眠りから覚めたら、その瞳を綺麗に輝かせることができるような。
きっとそんな、お姫様に。
Fin.