眠り姫はひだまりで【番外編】


緑がいっぱいの田舎町とか、古い商店街とか。

特別綺麗な場所ではないけれど、暖かみがあるような、そんな景色。


久しぶりのお絵描きに、思わずひとりでふふっと笑ってしまった。

絵の具が乾くまで、川の近くをとぼとぼ歩く。


…絵を描くことは、私の唯一の趣味。

それこそ地味だって言われるかもしれないけど、目立たない私にはお似合いかもしれない。

…あーあ、私ももうちょっと、可愛かったらなぁ。

色葉やミオみたいに、特別可愛かったら。

自信を持って、葉に話しかけることも出来るだろうに。

ミオとお弁当を食べてると、何度も綺麗だなぁって、思う。

羨ましいなぁって、思う。

いいなぁ、いいなぁ。

私も別に、性格が暗いってわけじゃないと思うんだけど。

いつの間にか、さゆりに彼氏が出来て。

色葉とミオにも彼氏が出来て。

他にも、仲の良い子達はみんな楽しそうに恋をしている。


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