眠り姫はひだまりで【番外編】
…君にもっと、近づきたいんだ。
「私と、付き合って下さい」
ぼろぼろ、ぼろぼろ。
零れ落ちる、涙。
大きく見開かれる、彼の瞳。
教室中が、歓声と冷やかしで盛り上がり始める。
葉は一歩、私へ近づいた。
…そして、ぎゅ、と、私の体を抱きしめた。
「………ごめん、妬いたの。理紗が目立って、他の男が近づき始めたから」
そう、拗ねたように耳元で言う。
周りが、わいわいと騒いでいる。
…そんなこと言われたら、幸せすぎて、私、死んじゃうかもしれないよ。
「…葉の、気持ちは…?」
抱きしめ返してそう言うと、葉はやっぱり困ったような顔をして、私の体を離した。
じ、と見つめると、彼は諦めたような顔をして。
「…俺も理紗が、好きです」
…照れたように、顔を赤くして。
大好きな笑顔で、そう言うから。