眠り姫はひだまりで【番外編】
…わかって、いるのに。
僕の目はやっぱり、中学の時、僕を見つめて笑っていた、無邪気な彼女を探してる。
*
「大和、メロンパン好きだな」
購買から戻る途中の廊下を、柚木と歩く。
僕の手にあるメロンパンを見て、柚木がそう言った。
「うん。好き」
「女子かっ」
別に、男子でもメロンパンくらい食べるでしょ。
好きでも、いいと思うんだけど。
そう思いながら、柚木と階段を降りる。
すると、下からパタパタと音がした。
見ると、色葉と澪が走って階段を上がってきている。
「あっ、大和!」
色葉が僕に気づいて、笑った。
どき、と、心臓が鳴る。
「大和、メロンパン買ったんだぁ〜、私もねえ、今からメロンパン買おうと思ってるの!」
「美味しいよね、購買のメロンパン」
「ね!私大好き!」
じゃあね、と言って、色葉が僕らの横を通って行く。