眠り姫はひだまりで【番外編】


…わかって、いるのに。


僕の目はやっぱり、中学の時、僕を見つめて笑っていた、無邪気な彼女を探してる。






「大和、メロンパン好きだな」


購買から戻る途中の廊下を、柚木と歩く。

僕の手にあるメロンパンを見て、柚木がそう言った。

「うん。好き」

「女子かっ」

別に、男子でもメロンパンくらい食べるでしょ。

好きでも、いいと思うんだけど。

そう思いながら、柚木と階段を降りる。

すると、下からパタパタと音がした。

見ると、色葉と澪が走って階段を上がってきている。


「あっ、大和!」


色葉が僕に気づいて、笑った。

どき、と、心臓が鳴る。

「大和、メロンパン買ったんだぁ〜、私もねえ、今からメロンパン買おうと思ってるの!」

「美味しいよね、購買のメロンパン」

「ね!私大好き!」

じゃあね、と言って、色葉が僕らの横を通って行く。


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