眠り姫はひだまりで【番外編】
「…え、わぁ、大和先輩っ!」
…なんで、僕の名前、知ってんだろ。
つーか、声まで似てる………
…ああ、でも、案外顔は似てないかもしれない。
どうやら頭を強く打ったらしく、目の前まで彼女の顔が迫りながら、僕の思考は途切れようとしていた。
…頭、いってえ。
遠くで、彼女と柚木の声が聞こえた。
*
目が覚めると、そこは保健室だった。
白いベッドと、天井、ベッドを囲う、カーテン。
僕は昼休みのことを思い出して、ああ、そういえば、なんて小さく呟いた。
保健室のなかは、静まり返っている。
身体を起こそうとして、頭がズキズキと痛んだ。
…あー、いてえ。
あの子、いるのかな。
今何限目なのかわからないけど、時間がそれなりに経っていたら、もう先生が教室へ帰しているかもしれない。