眠り姫はひだまりで【番外編】
僕は先生を呼ぼうと、上半身だけ起こして、口を開いた。
「…先生ー…あの…」
…ガシャッ、と、勢いよくカーテンが開いた。
「せせ先輩っ、起きました!?」
…えっ。
カーテンを開けたのは先生ではなく、あの子だった。
…まだ、いたのか…
「いっ、今、先生いなくて、それで………」
驚く僕に、彼女はハッとした顔をすると、慌て始める。
「あっ、すいません、あたし、慌てて、それで、つまずいちゃって、えっと」
「あ…大丈夫だよ。怒ってないから、落ち着いて」
半ば涙目になっている彼女に、笑って話しかける。
…こんなところは、ほんとに、似てるなぁ。
そんなことを思いながら笑いかける僕は、多分、すごく最低だ。
彼女は僕の言葉に、すいませんすいませんと謝ってくる。
…まあ、まだ入学して二ヶ月しか経ってないし、先輩に怪我させて大変なことになるかもしれないとか、考えてたりするのかな。