眠り姫はひだまりで【番外編】
「…それに、ね」
そう言って、彼はあたしの濡れた頬に触れた。
そして、笑う。
優しく、少しだけ、はずかしそうに。
「…いつもミオちゃんは、かっこいいけど。照れて赤くなって、言葉に詰まってるときは、すっごい可愛い」
泣き顔も、と言って、あたしの頬にキスを落とす。
周りが、きゃあっと騒がしくなった。
…おかしく、なりそうだ。
裕也くんがそのまま耳元で、囁く。
「…髪、巻いてるの。あれ、俺に可愛いって言って欲しかった?」
思わず涙が止まって、かぁぁと顔が熱くなった。
「そっ、れは…っ」
「可愛かったよ。でも、俺は今のほうが好きかな」
サラサラとあたしの黒髪に触れて、にっこりと笑う。