眠り姫はひだまりで【番外編】
やっぱり性格は優しくても、二組の男子のひとりなんだなと思った。
…甘いよ。
甘すぎるよ。
あたしはたまらなくなって、彼に抱きついた。
「…すき!」
裕也くんは笑って、「俺が先に言おうと思ってたのに」と言う。
「…ごめんね。言わなくても伝わってるって、勝手に思ってた」
必死に首を横に振るあたしに、彼はふっと優しく微笑んで。
「…好きだよ」
そうして、あたしを優しく抱きしめた。
…こんな、あたしでも。
彼によって、甘い甘い、女の子になる。
*
後日。
裕也くんに『好きなタイプがふわふわ系女子ってほんと?』と訊くと、何故か笑われた。
『そーゆー子のほうが、喜んでお菓子とか食べてくれそうだなって思って、なんとなく言っただけだよ』
なんて言われて、あたしが落胆したのは言うまでもない。
Fin