眠り姫はひだまりで【番外編】
sweet devil
「純くん!ニュースですよ!!」
二月に入ったばかりの、ある日のお昼休み。
いつもの空き教室へ足をつけた私は、向こうにいるだろう人へそう叫んだ。
「…は?ニュース?」
棒つきの飴を咥えてこちらへ顔を出した純くんは、私の言葉に眉を寄せる。
私は、机の上に座っている彼の隣の机に飛び乗った。
「あのね、あのね!昨日、お兄ちゃんから電話があってね!?」
純くんが、「ああ、真人さんね」と言う。
私のお兄ちゃんは、今遠くの大学に行っているから、一人暮らしをしていて家にいない。
だけど、昨日お兄ちゃんから久しぶりに電話があったのだ!
「それで?」
「うん、それでね!なんと、なんと!」
なかなか言わないでいると、「早く言え」と頬をつねられた。
ちょっと痛いし。純くん、よく頬をつねるのやめてほしい。