眠り姫はひだまりで【番外編】
「ね、ロマンチックじゃない?つまり、ここはカップルのための場所だったんだよ!!」
きゃーっとひとりで盛り上がる。
これを聞いたお兄ちゃんは、お友達と思わずげんなりしちゃったらしいけど。
なんだか、嬉しい。
私と純くんも、ここで偶然出会ったことから始まったんだもん!
「…そーかぁ〜?」
「そーだよぉ!すっごく素敵!」
ふふ、と笑うと、少しだけ照れたように目を逸らして、純くんは唇を尖らせた。
「…ふーん。でもお前は、読書じゃなくて寝るために来てるんじゃん」
「そーだよ」
「…俺もだし。全然ロマンチックじゃねーだろー」
私はむーっと頬を膨らませた。
なんか、さっきから冷たーい。
「いーよ、もう。寝るっ」
机をくっつけてベッドをつくろうとしたら、ぐいっと腕を引っ張られた。