【短編】あなたの隣で目覚められたら。
「え…それって、どういう意味?」
思わず聞くと、孝二くんは
「そのままの意味ですよ。俺、寂しくて今晩寝れそうにないんで、添い寝してください。」
とちょっと笑って言った。
でも、あながち冗談ではないみたいだった。
…どうすればいいんだ。
「それはちょっと…」
と言うと、孝二くんは、
「俺が今日は奢るんで、だから、代わりにうちに来てくださいよ。」
と言った。
その時の彼の表情がやけに悲しげで、私はなぜか本能的に、この人を癒してあげたい、心を軽くしてあげたいと思っていた。
「うーん、わかった。そこまでいうなら。」
と私が言うと、
「やった。早く行きましょう。」
と、席を立った。