【短編】あなたの隣で目覚められたら。
…どんな下着を選べばいいんだ。
私は一体何を期待しているんだろう。
でも、もしものことがあった時に、幻滅されるのは嫌だなぁ。
うーん。
早く行かなきゃと思いつつ悩みに悩んで、下着と部屋着、明日着る服とお泊まりセットを鞄に詰め込んだ。
「お待たせ。」
「全然待ってないですよ。行きましょう。」
そう言って笑う孝二くんは、全然失恋で心が痛んでいるようには見えなくて、むしろどこか楽しそうだった。
それから孝二くんの車に乗り、部屋へ向かった。
私は異常なくらい緊張していて、どうにかなってしまいそうだった。
孝二くんもほとんど何も喋らないし、どうしていいか分からなくて、結局ほぼ無言のまま孝二くんの部屋に着いた。
「着きましたよ。あ、荷物持ちますよ。」
「あ、うん。ありがとう。」
「ずいぶん荷物たくさんですね。3日くらい止まってくれるんですか?」
「違うよ。1日分。」
なんか私の方が余裕がなくて、弄ばれているような気分だった。
「冗談ですよ。こっちです。」