【短編】あなたの隣で目覚められたら。




…どんな下着を選べばいいんだ。

私は一体何を期待しているんだろう。
でも、もしものことがあった時に、幻滅されるのは嫌だなぁ。

うーん。

早く行かなきゃと思いつつ悩みに悩んで、下着と部屋着、明日着る服とお泊まりセットを鞄に詰め込んだ。





「お待たせ。」



「全然待ってないですよ。行きましょう。」


そう言って笑う孝二くんは、全然失恋で心が痛んでいるようには見えなくて、むしろどこか楽しそうだった。







それから孝二くんの車に乗り、部屋へ向かった。






私は異常なくらい緊張していて、どうにかなってしまいそうだった。



孝二くんもほとんど何も喋らないし、どうしていいか分からなくて、結局ほぼ無言のまま孝二くんの部屋に着いた。





「着きましたよ。あ、荷物持ちますよ。」



「あ、うん。ありがとう。」



「ずいぶん荷物たくさんですね。3日くらい止まってくれるんですか?」



「違うよ。1日分。」


なんか私の方が余裕がなくて、弄ばれているような気分だった。

「冗談ですよ。こっちです。」





< 5 / 17 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop