《完結》アーサ王子の君影草 ~ラインアーサの些かなる悩み事~
見張りをしていた腰巾着風の男が背後から襲い掛かって来たがそれを難なく躱した所、男はそのまま勢い余って壁に激突した。
「つぅ。て、てめぇっ……何しやがる!」
何もしていない。ただ躱しただけなのだが、ますます逆上した男は拳を振り上げ向かって来る。しかしそんな鈍ら当たるわけもなく敢えて受け流し、その力を利用してもう一人の男目掛け男を思い切り投げ飛ばした。衝撃で男二人が地面に転がる。
「…っ!? くっそ!! 何なんだよ、お前何モンだ?」
「……お前らこそ何者だ? 普段からこんな事してるのか? このまま民兵警備に突き出してやってもいいんだが?」
ラインアーサはスズランを自分の背に隠す様に立つと、男二人を見下ろした。
「あ、兄貴! 警備隊はまずいッスよ、此処は一旦…」
男たちはふらつきながらも立ち上がるとラインアーサの顔をじっくり舐め回すように凝視する。
「……貴様。何処かで見た顔だが思い出せねぇ! くそっ、退くぞ!」
「次に見つけたら容赦しない、早く此処から去れ」
一瞬、追おうかとも思ったが踏み留まる。スズランがラインアーサの背中で小さく震えているのが分かり、とにかく安心させてやりたかった。
「つぅ。て、てめぇっ……何しやがる!」
何もしていない。ただ躱しただけなのだが、ますます逆上した男は拳を振り上げ向かって来る。しかしそんな鈍ら当たるわけもなく敢えて受け流し、その力を利用してもう一人の男目掛け男を思い切り投げ飛ばした。衝撃で男二人が地面に転がる。
「…っ!? くっそ!! 何なんだよ、お前何モンだ?」
「……お前らこそ何者だ? 普段からこんな事してるのか? このまま民兵警備に突き出してやってもいいんだが?」
ラインアーサはスズランを自分の背に隠す様に立つと、男二人を見下ろした。
「あ、兄貴! 警備隊はまずいッスよ、此処は一旦…」
男たちはふらつきながらも立ち上がるとラインアーサの顔をじっくり舐め回すように凝視する。
「……貴様。何処かで見た顔だが思い出せねぇ! くそっ、退くぞ!」
「次に見つけたら容赦しない、早く此処から去れ」
一瞬、追おうかとも思ったが踏み留まる。スズランがラインアーサの背中で小さく震えているのが分かり、とにかく安心させてやりたかった。