《完結》アーサ王子の君影草 ~ラインアーサの些かなる悩み事~
「……?」
名前を口にするだけで鼓動が高まる。目が合うと嬉しい。そのままそらさないで欲しくて、瞳に力を込める。
けれどもまた本心とは裏腹に真逆の言葉が口を突いて出てきてしまう。
「……お前さ、見てて本当危なっかしいって言うか、毎回助ける方の身にもなれよな。まったく、子供のおもりなんて勘弁だ」
「べ 、べつにっ!! さっきはライアに助けてもらったけど、わたしが頼んだ訳じゃないもの! それに次からは自分で何とかするし、わたしには構わないで!!」
先程まで静かだったスズランが突然勢い良く反発し始める。
「俺だって助けたくて助けた訳じゃあない、お前が鈍臭いからだろ?」
「…っなによ、鈍臭いって! さっきからずーっと子供扱いばっかりして、失礼だわ!」
地団駄を踏む勢いで怒っている顔まで可愛く見えてくるのはだいぶ重症だろうか。それでもスズランの可愛くない答えについ言い返してしまう。
「子供に子供と言って何が悪い? お前こそ助けてもらっておいて、礼の一つも言えないのかよ!」
口が勝手に動く。違う───。
別に礼が欲しいわけではない。本当はもう少し一緒に居たいだけなのだと素直な気持ちを告げてしまえばいいのか。
名前を口にするだけで鼓動が高まる。目が合うと嬉しい。そのままそらさないで欲しくて、瞳に力を込める。
けれどもまた本心とは裏腹に真逆の言葉が口を突いて出てきてしまう。
「……お前さ、見てて本当危なっかしいって言うか、毎回助ける方の身にもなれよな。まったく、子供のおもりなんて勘弁だ」
「べ 、べつにっ!! さっきはライアに助けてもらったけど、わたしが頼んだ訳じゃないもの! それに次からは自分で何とかするし、わたしには構わないで!!」
先程まで静かだったスズランが突然勢い良く反発し始める。
「俺だって助けたくて助けた訳じゃあない、お前が鈍臭いからだろ?」
「…っなによ、鈍臭いって! さっきからずーっと子供扱いばっかりして、失礼だわ!」
地団駄を踏む勢いで怒っている顔まで可愛く見えてくるのはだいぶ重症だろうか。それでもスズランの可愛くない答えについ言い返してしまう。
「子供に子供と言って何が悪い? お前こそ助けてもらっておいて、礼の一つも言えないのかよ!」
口が勝手に動く。違う───。
別に礼が欲しいわけではない。本当はもう少し一緒に居たいだけなのだと素直な気持ちを告げてしまえばいいのか。