《完結》アーサ王子の君影草 ~ラインアーサの些かなる悩み事~
そう早口で言うと、スズランは酒場の裏口へと走って行ってしまった。
自身のしてしまった事にはっと我に返るも後の祭りだ。
「……本当、っ馬鹿か俺は…! ああ、もう」
スズランが建物の中に入ったのを確認し、ラインアーサもその場を離れる事にした。
無事に送り届ける事は出来たが、ラインアーサは絶賛嫌われ中だ……。嫌われて当然の行為をスズランにしてしまった。というか当たり前だがますます怒らせてしまった。
だが、からかったわけではない。
愛おしく思って口づけをしたのは本当だ。
しかし〝馬鹿〟はまだしも〝大嫌い〟というのはこんなにも堪えるものなのか。いや、どう考えても自業自得なのだが。
そんな事を考えながら、ラインアーサは森を通り抜け大人しく王宮へと戻る事にした───。
自身のしてしまった事にはっと我に返るも後の祭りだ。
「……本当、っ馬鹿か俺は…! ああ、もう」
スズランが建物の中に入ったのを確認し、ラインアーサもその場を離れる事にした。
無事に送り届ける事は出来たが、ラインアーサは絶賛嫌われ中だ……。嫌われて当然の行為をスズランにしてしまった。というか当たり前だがますます怒らせてしまった。
だが、からかったわけではない。
愛おしく思って口づけをしたのは本当だ。
しかし〝馬鹿〟はまだしも〝大嫌い〟というのはこんなにも堪えるものなのか。いや、どう考えても自業自得なのだが。
そんな事を考えながら、ラインアーサは森を通り抜け大人しく王宮へと戻る事にした───。