《完結》アーサ王子の君影草 ~ラインアーサの些かなる悩み事~
そこへジュリアンが思い出したかの様に、可愛らしく包装された紙の袋を取り出した。
「あ! そうだ。リーナに土産があるんだった。開けて見ろよ」
「お土産?」
ジュリアンに袋を手渡され早速包装を解くと、小降りの鉢植えが出てくる。植えられている花は色とりどりの三色菫だった。ジュリアンがリーナの印象に合わせて選んだ花だ。
「わあ……綺麗! ありがとう、お兄ちゃん」
「その花、アーサと選んだんだぜ」
何故か突然ジュリアンがそんな事を言い出す。実際には、ラインアーサは花選びをしていないのだが。
「え! アーサ様も選んでくれたんですか? 嬉しい! 大切にしますね!!」
訂正しようにも、リーナの笑顔が全開になってしまい出来なかった。
「どういうつもりだよ、ジュリ」
「いや? ただ俺も今のところ、リーナを任せられるのはお前しか居ないと思ってるんだが」
「突然何言って…」
「そっ、そうよ! お兄ちゃんの馬鹿!! 勝手な事言わないで! ……アーサ様、すみません。あたしお茶の追加の準備をして来るので失礼します」
リーナは恥ずかしそうに俯き、鉢植えを抱えたまま応接間から足早に出て行った。
「あ! そうだ。リーナに土産があるんだった。開けて見ろよ」
「お土産?」
ジュリアンに袋を手渡され早速包装を解くと、小降りの鉢植えが出てくる。植えられている花は色とりどりの三色菫だった。ジュリアンがリーナの印象に合わせて選んだ花だ。
「わあ……綺麗! ありがとう、お兄ちゃん」
「その花、アーサと選んだんだぜ」
何故か突然ジュリアンがそんな事を言い出す。実際には、ラインアーサは花選びをしていないのだが。
「え! アーサ様も選んでくれたんですか? 嬉しい! 大切にしますね!!」
訂正しようにも、リーナの笑顔が全開になってしまい出来なかった。
「どういうつもりだよ、ジュリ」
「いや? ただ俺も今のところ、リーナを任せられるのはお前しか居ないと思ってるんだが」
「突然何言って…」
「そっ、そうよ! お兄ちゃんの馬鹿!! 勝手な事言わないで! ……アーサ様、すみません。あたしお茶の追加の準備をして来るので失礼します」
リーナは恥ずかしそうに俯き、鉢植えを抱えたまま応接間から足早に出て行った。