《完結》アーサ王子の君影草 ~ラインアーサの些かなる悩み事~
「なっ、何言ってるんだよ! あんなのまだお子様じゃあないか! 昨日たまたま送ったってだけで全然そんなじゃあないからな?」
「またまた〜! お前がそんなにムキになる所見た事ないぜ? なんで隠すんだよ、さては初恋か?」
ほぼ図星だが、黙っていた。ばれたらジュリアンに笑い飛ばされてしまう。
「いいから早く訓練場に帰れよジュリ…!」
「だってよ、まだ午後の号令まで時間が余ってるんだ。その辺ぶらつこうぜ!」
そう言いながらジュリアンは王宮の正門から横庭の方へと入って行ってしまった。
「おおー! 懐かしいな此処。良くお前とこの場所で遊んだよな 。森の樹の上に秘密基地とか作ったりしてさ。まだあんのか?」
「あるわけないだろ、何年経ってると思ってるんだよ……なあ、もう行かないか?」
「いいだろ、少しぐらい。せっかく思い出に浸ってるのに! ちょっとその樹のとこ行ってみようぜ」
「待てよ、ジュリ!」
ラインアーサは動揺を隠せないでいた。
何時この場所にスズランが現れやしないかと気を揉んでしまう。
ジュリアンが石橋を渡り容赦なく森に入って行くのでラインアーサも仕方なく跡を追った。
「またまた〜! お前がそんなにムキになる所見た事ないぜ? なんで隠すんだよ、さては初恋か?」
ほぼ図星だが、黙っていた。ばれたらジュリアンに笑い飛ばされてしまう。
「いいから早く訓練場に帰れよジュリ…!」
「だってよ、まだ午後の号令まで時間が余ってるんだ。その辺ぶらつこうぜ!」
そう言いながらジュリアンは王宮の正門から横庭の方へと入って行ってしまった。
「おおー! 懐かしいな此処。良くお前とこの場所で遊んだよな 。森の樹の上に秘密基地とか作ったりしてさ。まだあんのか?」
「あるわけないだろ、何年経ってると思ってるんだよ……なあ、もう行かないか?」
「いいだろ、少しぐらい。せっかく思い出に浸ってるのに! ちょっとその樹のとこ行ってみようぜ」
「待てよ、ジュリ!」
ラインアーサは動揺を隠せないでいた。
何時この場所にスズランが現れやしないかと気を揉んでしまう。
ジュリアンが石橋を渡り容赦なく森に入って行くのでラインアーサも仕方なく跡を追った。