《完結》アーサ王子の君影草 ~ラインアーサの些かなる悩み事~
突然現れ、行く手を阻むジュリアンに驚いた様子のスズランの姿が眼下に見える。
「? ……あ、えっと、、警備隊の……ジュリアンさん?」
「良かった〜! 昨日会ったばかりなのにもう忘れられちゃったのかと思ったぜ! で、スズランちゃんは何故この森に?」
「……あの。この森の警備の方にこれを返しに来ました」
そう言うと、スズランは胸に抱えていた白い布を少し広げて見せた。
「これってマント?」
「はい…。先日わたしが寒くない様にって貸してくれたんです」
「え、待って。寒くない様にって、まさかだけどスズランちゃんは日が落ちてからの冷え込む時間帯にこの森に来たの? 此処の警備は抜かりない筈だけど、君みたいな可愛い女の子が一人で来るなんて危ないぜ? それにここは王宮の敷地内だからあまり…」
「あ、の……一応、ここの警備の方から許可をいただいてはいます。でも、ジュリアンさんがここの警備に変わったんですか?」
スズランが弱気ながらもジュリアンに質問を返す。
「いやぁ、それはもう少し先の話ね。俺は今は民兵の護衛警備だし、今から訓練場に戻る所さ」
「そうなんですか…」
昨日に続き何処か浮かない様子のスズラン。
「? ……あ、えっと、、警備隊の……ジュリアンさん?」
「良かった〜! 昨日会ったばかりなのにもう忘れられちゃったのかと思ったぜ! で、スズランちゃんは何故この森に?」
「……あの。この森の警備の方にこれを返しに来ました」
そう言うと、スズランは胸に抱えていた白い布を少し広げて見せた。
「これってマント?」
「はい…。先日わたしが寒くない様にって貸してくれたんです」
「え、待って。寒くない様にって、まさかだけどスズランちゃんは日が落ちてからの冷え込む時間帯にこの森に来たの? 此処の警備は抜かりない筈だけど、君みたいな可愛い女の子が一人で来るなんて危ないぜ? それにここは王宮の敷地内だからあまり…」
「あ、の……一応、ここの警備の方から許可をいただいてはいます。でも、ジュリアンさんがここの警備に変わったんですか?」
スズランが弱気ながらもジュリアンに質問を返す。
「いやぁ、それはもう少し先の話ね。俺は今は民兵の護衛警備だし、今から訓練場に戻る所さ」
「そうなんですか…」
昨日に続き何処か浮かない様子のスズラン。