《完結》アーサ王子の君影草 ~ラインアーサの些かなる悩み事~
「……でも。じゃあ、その警備さんは警備隊の人じゃないって事でしょうか?」
「まぁ、そうなるかな。いやー、あいつも中々忙しい奴でさ、俺も次はいつ会えるかわからないんだ」
「そう、なんですね。じゃあ、これ……お願いしてしまってもいいですか?」
スズランは諦めた様に小さく肩を落とすと、抱きしめていたマントをジュリアンに手渡した。
「もっちろん、まかせといて〜! 何なら伝言でも頼まれようか?」
「……そんな! 平気です。でも、わたし……もう一度、あの警備さんに会いたい……です」
スズランのその言葉にラインアーサの胸はますます締め付けられた。やはり昨晩会いに行けば良かっただろうか。
「そっかぁ! そのまま伝えとくよ」
ジュリアンがやけに機嫌良く頷いている。おそらくいつものあの下世話な表情を浮かべているに違いない。更に調子に乗ったらしく、スズランに次々と質問を投げかける。
「ところでさぁスズランちゃん。あの男の事はどう思ってるの? 昨日は送ってもらったみたいだけど」
「あ、あの男って……えっと。ライアの事ですか?」
(ジュリの奴!! 何故次から次へと余計な話をふるんだよ!)
「まぁ、そうなるかな。いやー、あいつも中々忙しい奴でさ、俺も次はいつ会えるかわからないんだ」
「そう、なんですね。じゃあ、これ……お願いしてしまってもいいですか?」
スズランは諦めた様に小さく肩を落とすと、抱きしめていたマントをジュリアンに手渡した。
「もっちろん、まかせといて〜! 何なら伝言でも頼まれようか?」
「……そんな! 平気です。でも、わたし……もう一度、あの警備さんに会いたい……です」
スズランのその言葉にラインアーサの胸はますます締め付けられた。やはり昨晩会いに行けば良かっただろうか。
「そっかぁ! そのまま伝えとくよ」
ジュリアンがやけに機嫌良く頷いている。おそらくいつものあの下世話な表情を浮かべているに違いない。更に調子に乗ったらしく、スズランに次々と質問を投げかける。
「ところでさぁスズランちゃん。あの男の事はどう思ってるの? 昨日は送ってもらったみたいだけど」
「あ、あの男って……えっと。ライアの事ですか?」
(ジュリの奴!! 何故次から次へと余計な話をふるんだよ!)