《完結》アーサ王子の君影草 ~ラインアーサの些かなる悩み事~
「そうそう! 何だかずいぶんと親しげな仲に見えたからさ」
「なっ、親しげだなんてっ! 違います!! わたしは、その……からかわれてるだけで全然相手になんかされてないもの」
スズランが顔を真っ赤に染めて全否定する。
「……で、どう? 嫌い?」
なんという直接的な質問をするのだろうと思いつつも、ラインアーサはスズランの回答が気になって仕方がなかった。握っていた拳にますます力が入る。喉が乾き張り付く感じが気持ち悪い。
───すると、うつむいたままのスズランが小さく首を横に振った。
ラインアーサは瞳を見開いた。てっきり自身は嫌われていると思っていたのだから。
「……嫌われているのはわたしの方です。だっていつだって子供扱いされるし、わたしも怒ってばかりだから……ライアには呆れられてるんじゃないかな。それに、お礼を言わなくちゃ……二度も助けてもらったのにわたし、なんにも言えてなくて…」
「……ふぅん。じゃあそれも一緒に伝えとくよ」
伝えるも何も全て聞こえてしまっている。ラインアーサは複雑な気持ちを隠しきれず、こそりと溜め息を漏らした。
「でも。何でそんな事、聞くんですか?」
「なっ、親しげだなんてっ! 違います!! わたしは、その……からかわれてるだけで全然相手になんかされてないもの」
スズランが顔を真っ赤に染めて全否定する。
「……で、どう? 嫌い?」
なんという直接的な質問をするのだろうと思いつつも、ラインアーサはスズランの回答が気になって仕方がなかった。握っていた拳にますます力が入る。喉が乾き張り付く感じが気持ち悪い。
───すると、うつむいたままのスズランが小さく首を横に振った。
ラインアーサは瞳を見開いた。てっきり自身は嫌われていると思っていたのだから。
「……嫌われているのはわたしの方です。だっていつだって子供扱いされるし、わたしも怒ってばかりだから……ライアには呆れられてるんじゃないかな。それに、お礼を言わなくちゃ……二度も助けてもらったのにわたし、なんにも言えてなくて…」
「……ふぅん。じゃあそれも一緒に伝えとくよ」
伝えるも何も全て聞こえてしまっている。ラインアーサは複雑な気持ちを隠しきれず、こそりと溜め息を漏らした。
「でも。何でそんな事、聞くんですか?」