《完結》アーサ王子の君影草 ~ラインアーサの些かなる悩み事~
「何でかって? それはあいつが俺の大事な友人だから聞いとこうと思ってさ! 君みたいな可愛い子に嫌われてたら悲しいだろ?」
ジュリアンの少し茶目っ気のある言い方にスズランも気を許したようだ。
「ふふ、ジュリアンさんはとってもお友だち想いでいい人なんですね…!」
「まあね〜。ちなみにそのライアって奴だけど、君の事全然嫌ってなんかないよ。むしろ…っうわ!?」
物には限度と言うものがあるだろう……。
遂に耐えきれなくなり、ラインアーサは掌に風を集め小さな風玉を作り出しそれを思い切りジュリアンに向って投げ付けた。風玉は見事に命中し、ジュリアンは風の衝撃で後ろに吹き飛び尻餅をついた。
「だ、大丈夫ですか!? ジュリアンさん!」
目の前で突然転んだジュリアンに、スズランが驚いて駆け寄る。ジュリアンはラインアーサを見上げながら、へらりと舌を出して悪びれも無く笑った。
「ごめんごめん、大丈夫だよ。ちょっと足元をすくわれてね…」
「突然転ぶなんてびっくりです…!」
「ありがとう、大丈夫だよ」
スズランが手を差し伸べたが、ジュリアンは一人で何事もなかったかの様に立ち上がり、身なりを整えた。
ジュリアンの少し茶目っ気のある言い方にスズランも気を許したようだ。
「ふふ、ジュリアンさんはとってもお友だち想いでいい人なんですね…!」
「まあね〜。ちなみにそのライアって奴だけど、君の事全然嫌ってなんかないよ。むしろ…っうわ!?」
物には限度と言うものがあるだろう……。
遂に耐えきれなくなり、ラインアーサは掌に風を集め小さな風玉を作り出しそれを思い切りジュリアンに向って投げ付けた。風玉は見事に命中し、ジュリアンは風の衝撃で後ろに吹き飛び尻餅をついた。
「だ、大丈夫ですか!? ジュリアンさん!」
目の前で突然転んだジュリアンに、スズランが驚いて駆け寄る。ジュリアンはラインアーサを見上げながら、へらりと舌を出して悪びれも無く笑った。
「ごめんごめん、大丈夫だよ。ちょっと足元をすくわれてね…」
「突然転ぶなんてびっくりです…!」
「ありがとう、大丈夫だよ」
スズランが手を差し伸べたが、ジュリアンは一人で何事もなかったかの様に立ち上がり、身なりを整えた。