《完結》アーサ王子の君影草 ~ラインアーサの些かなる悩み事~
しかしどうだろう。
嫌われていないと知った瞬間、全身の細胞が歓喜で沸き立った。思いとは裏腹に感情は素直だ。
ラインアーサはどうすれば良いのかわからなくなっていた。何故こんなにもスズランに心惹かれるのだろう。いつからこんな気持ちを抱くようになったのか。
「あ、でもさ。俺が思うにスズランちゃんは警備員としてのお前よりも素のお前の方に好意があるっぽいな!」
「……適当なこと言うな」
どう考えても自分自身より警備員としてのラインアーサになついているではないか。
「俺の勘は当たるんだぜ! お前こそもっとスズランちゃんに優しくしてやれよ? アーサはちっとも女心を理解してないな」
「ジュリに言われたくない」
「おいおい。百戦錬磨のジュリアン様のご意見だって言うのに、少しは信じろって!」
「ったく、自分で言うなよ…」
果たしてそれは自慢できる事なのか謎だが、ジュリアンの勘の良さは身を以て理解している。だからと言ってスズランがラインアーサを気にかけている様には到底思えなかった。まだ何か言いたげな表情を向けて来るが次の瞬間、遠くで鐘の音が鳴り響いた。
嫌われていないと知った瞬間、全身の細胞が歓喜で沸き立った。思いとは裏腹に感情は素直だ。
ラインアーサはどうすれば良いのかわからなくなっていた。何故こんなにもスズランに心惹かれるのだろう。いつからこんな気持ちを抱くようになったのか。
「あ、でもさ。俺が思うにスズランちゃんは警備員としてのお前よりも素のお前の方に好意があるっぽいな!」
「……適当なこと言うな」
どう考えても自分自身より警備員としてのラインアーサになついているではないか。
「俺の勘は当たるんだぜ! お前こそもっとスズランちゃんに優しくしてやれよ? アーサはちっとも女心を理解してないな」
「ジュリに言われたくない」
「おいおい。百戦錬磨のジュリアン様のご意見だって言うのに、少しは信じろって!」
「ったく、自分で言うなよ…」
果たしてそれは自慢できる事なのか謎だが、ジュリアンの勘の良さは身を以て理解している。だからと言ってスズランがラインアーサを気にかけている様には到底思えなかった。まだ何か言いたげな表情を向けて来るが次の瞬間、遠くで鐘の音が鳴り響いた。