《完結》アーサ王子の君影草 ~ラインアーサの些かなる悩み事~
一際目立つ美貌の女性が、上目遣いと甘い声色でラインアーサに声をかけてきた。その他の二人にもあっという間に囲まれてしまった。悪いが今は女性達に構っている暇などない。
(確か彼女達の名前は…)
ラインアーサは少し首を傾げ考え込むと、すぐに申し入れを断る姿勢に出た。小さく息を吐きながらよそ行きの笑顔を貼り付け申し訳なさそうに告げる。
「ああ、久し振りだなティルダ。イベッテにルースも! 会えて嬉しいよ。せっかくの誘いは有難いけど、また今度相手して欲しいな。今日はちょっと急ぎの用事があるんだ」
こんな時、女性の誘いを無下に断ってはいけないと知っている。取っておきの笑顔で対応するのだ。すると女性達は名を呼ばれただけでラインアーサの笑顔にうっとりと見惚れ、頬をそめた。
「まあそうなの〜? 残念だわぁ。そういえばエリィも残念がっていたわよ! あの子、だいぶ貴方にお熱だったでしょう? 貴方が急に来なくなったものだから他の酒場へ捜しに行ったりしてたのよ?」
計らずともエリィの話題になり、ラインアーサはティルダに問いかけた。
「……ああ! 今ちょうどそのエリィを捜してるんだ。今日ティルダたちはエリィと一緒じゃあないのか?」
(確か彼女達の名前は…)
ラインアーサは少し首を傾げ考え込むと、すぐに申し入れを断る姿勢に出た。小さく息を吐きながらよそ行きの笑顔を貼り付け申し訳なさそうに告げる。
「ああ、久し振りだなティルダ。イベッテにルースも! 会えて嬉しいよ。せっかくの誘いは有難いけど、また今度相手して欲しいな。今日はちょっと急ぎの用事があるんだ」
こんな時、女性の誘いを無下に断ってはいけないと知っている。取っておきの笑顔で対応するのだ。すると女性達は名を呼ばれただけでラインアーサの笑顔にうっとりと見惚れ、頬をそめた。
「まあそうなの〜? 残念だわぁ。そういえばエリィも残念がっていたわよ! あの子、だいぶ貴方にお熱だったでしょう? 貴方が急に来なくなったものだから他の酒場へ捜しに行ったりしてたのよ?」
計らずともエリィの話題になり、ラインアーサはティルダに問いかけた。
「……ああ! 今ちょうどそのエリィを捜してるんだ。今日ティルダたちはエリィと一緒じゃあないのか?」