《完結》アーサ王子の君影草 ~ラインアーサの些かなる悩み事~
「 いゃぁん、あたしもライアに会えて嬉しいわぁ! でも、悔しいけどあなた達ってお似合いよね。エリィと上手くいったらあたし達にも報告してほしいわ? うふふ」
ティルダは顔を紅潮させ、ラインアーサに熱い視線を送ってくる。何やら妙な勘違いをされている様だがそれを訂正している暇が惜しい。
「ああ、もう行くよ。じゃあ…」
ティルダ達に別れを告げると、強い視線を感じその方向に向き直る。其処にはいつから立っていたのか、スズランが呆けた様な表情でラインアーサを見つめていた。
「っ…スズラン!!」
毎度の如くラインアーサの心臓が早鐘を打つ。しかし、スズランの顔色が紙の様に真っ白だ。具合でも悪いのだろうか。
純粋に心配になり一歩近づくと更に表情が曇ってしまい、それ以上足を進めるのを躊躇した。やはりこの反応で好かれているとは到底思えない。嫌いな奴に声などかけられたら嫌だろうと、ラインアーサは喉まで出かかった言葉を飲み込む。
するとカウンターの方からセィシェルが飛び出して来てスズランの背後から彼女の肩を掴んだ。
「おい、スズ! まだ病み上がりの癖に表に出るなって言ったろ? 今日は裏で簡単な仕事を…っ!!」
ティルダは顔を紅潮させ、ラインアーサに熱い視線を送ってくる。何やら妙な勘違いをされている様だがそれを訂正している暇が惜しい。
「ああ、もう行くよ。じゃあ…」
ティルダ達に別れを告げると、強い視線を感じその方向に向き直る。其処にはいつから立っていたのか、スズランが呆けた様な表情でラインアーサを見つめていた。
「っ…スズラン!!」
毎度の如くラインアーサの心臓が早鐘を打つ。しかし、スズランの顔色が紙の様に真っ白だ。具合でも悪いのだろうか。
純粋に心配になり一歩近づくと更に表情が曇ってしまい、それ以上足を進めるのを躊躇した。やはりこの反応で好かれているとは到底思えない。嫌いな奴に声などかけられたら嫌だろうと、ラインアーサは喉まで出かかった言葉を飲み込む。
するとカウンターの方からセィシェルが飛び出して来てスズランの背後から彼女の肩を掴んだ。
「おい、スズ! まだ病み上がりの癖に表に出るなって言ったろ? 今日は裏で簡単な仕事を…っ!!」