《完結》アーサ王子の君影草 ~ラインアーサの些かなる悩み事~
そっとスズランの頬に触れる。そのまま症状を軽くする為、得意である癒しの煌像術を施した。
「っん…!」
「ちょ、あんた。まじで何してんだよ! 早くスズから離れろって!」
セィシェルが割って入った為、完全ではないが多少也とも症状は改善されている筈だ。その証拠にスズランの顔色は先程よりもだいぶ良くなっている。あくまでも応急処置に過ぎない、後はゆっくり睡眠を取ることが一番だ。
「また、助けてくれたの…? どうして?」
ラインアーサは困っている人や苦しむ人が居れば見て見ぬ振りが出来ない性分だ。それが自身の想いを寄せている相手ならば尚更放っておける筈もない。だが面と向かって礼などを言われるのは照れ臭くて昔から苦手だった。その為また突き放す様な言い方をしてしまう。
「……お前さ、子供なんだから早く寝ろよ」
「うん…。そうするね」
それでも素直に頷くスズランの姿にラインアーサは狼狽した。
「っ…!」
「ライア……いつも助けてくれて、ありがとう…」
そう言いスズランはふわりと微笑んだ。
急激に顔が熱くなったのを感じたラインアーサはそれを誤魔化す様に立ち上がった。急いでスズランに背を向ける。
「っん…!」
「ちょ、あんた。まじで何してんだよ! 早くスズから離れろって!」
セィシェルが割って入った為、完全ではないが多少也とも症状は改善されている筈だ。その証拠にスズランの顔色は先程よりもだいぶ良くなっている。あくまでも応急処置に過ぎない、後はゆっくり睡眠を取ることが一番だ。
「また、助けてくれたの…? どうして?」
ラインアーサは困っている人や苦しむ人が居れば見て見ぬ振りが出来ない性分だ。それが自身の想いを寄せている相手ならば尚更放っておける筈もない。だが面と向かって礼などを言われるのは照れ臭くて昔から苦手だった。その為また突き放す様な言い方をしてしまう。
「……お前さ、子供なんだから早く寝ろよ」
「うん…。そうするね」
それでも素直に頷くスズランの姿にラインアーサは狼狽した。
「っ…!」
「ライア……いつも助けてくれて、ありがとう…」
そう言いスズランはふわりと微笑んだ。
急激に顔が熱くなったのを感じたラインアーサはそれを誤魔化す様に立ち上がった。急いでスズランに背を向ける。