《完結》アーサ王子の君影草 ~ラインアーサの些かなる悩み事~
「……とりあえずはご飯よ! 冷める前に頂きましょう」
「そうだな…」
運ばれて来た料理に手をつけ始めたエリィに便乗し、ラインアーサも軽く食事を済ませた。
その間、エリィは注文した料理や穀物の蒸留酒を次々と空けてゆく。以前から感じてはいたがエリィは良く食べ、良く呑む。そしてハリ同様、酒豪だ。どれだけ呑んでも顔色一つ変えない。
「この国はどのお酒も美味ねぇ」
「エリィ。そんなに呑んで平気なのか?」
「この位何でもないわ。丁度よく身体も暖まってきた所よ。ライアこそ、それで足りてるの?」
「……まあ、俺はこれでいいんだ」
ラインアーサはハリの忠告に従い、度数の低い果実酒を少しずつ胃に流し込んでいた。一通り食事を終えると、エリィがグラスを片手に話を切り出してきた。
「───それで? 何故あたしがルゥアンダ帝国出身って分かったの?」
「……なんとなく、そう感じたんだ。雰囲気がルゥアンダ出身の知り合いに似てる気がしたし、それにその瞳の色。君の他に見た事がない」
エリィの瞳はとても珍しい夜の空に煌めく星の様な美しい色をしている。その色合いは滞在した事のある国々ではもちろん、今まで一度も見た事がなかった。
「そうだな…」
運ばれて来た料理に手をつけ始めたエリィに便乗し、ラインアーサも軽く食事を済ませた。
その間、エリィは注文した料理や穀物の蒸留酒を次々と空けてゆく。以前から感じてはいたがエリィは良く食べ、良く呑む。そしてハリ同様、酒豪だ。どれだけ呑んでも顔色一つ変えない。
「この国はどのお酒も美味ねぇ」
「エリィ。そんなに呑んで平気なのか?」
「この位何でもないわ。丁度よく身体も暖まってきた所よ。ライアこそ、それで足りてるの?」
「……まあ、俺はこれでいいんだ」
ラインアーサはハリの忠告に従い、度数の低い果実酒を少しずつ胃に流し込んでいた。一通り食事を終えると、エリィがグラスを片手に話を切り出してきた。
「───それで? 何故あたしがルゥアンダ帝国出身って分かったの?」
「……なんとなく、そう感じたんだ。雰囲気がルゥアンダ出身の知り合いに似てる気がしたし、それにその瞳の色。君の他に見た事がない」
エリィの瞳はとても珍しい夜の空に煌めく星の様な美しい色をしている。その色合いは滞在した事のある国々ではもちろん、今まで一度も見た事がなかった。