《完結》アーサ王子の君影草 ~ラインアーサの些かなる悩み事~
「あー、えっと? なんだかよく分からないけど、そういった分かれ方をしたって事だな!」

「ええ。因みに現在の国名は此方の世界を創設した際に、活躍した各々の属性の代表者の名で御座います」

「一応、俺の名前にも国の名が刻まれてるもんな。やっぱり他の国の王族もそうなのか?」

 ラインアーサの真名は 〝ラインアーサ・シュサイラスア・ローゼン〟国の名が刻まれている。

「勿論です。その名を持つのは代表者の血を継ぐ、直系の王族か末裔のみなのですから」

「……直系」

「ルゥアンダは夜明け前の闇の様に穏やかな男性。

アザロアは上品で静かに燃える炎の様に優しい女性。

マルティーンは流れる川の様に統一、同意、調和を好んだそうです。

シュサイラスアは清涼を好み、しなやかで誰にでも心地よく働きかける青年だったとか。

フリュイの雷花の神気(トニトフロース・ディオス)による力はどの属性よりも強大な力でしたが、謙虚な心を忘れてはいなかったそうです。

オゥは大地の様に全てを支える様な忍耐力の強い男性。

パルフェはその輝く様な光で皆を包み、結束を強める主導者的存在だったそうですよ」

 ジュストベルは瞳を閉じて淡々と語る。
< 178 / 529 >

この作品をシェア

pagetop