《完結》アーサ王子の君影草 ~ラインアーサの些かなる悩み事~
焼き菓子を口いっぱいに頬張りながら頷く。
明るい窓際の机にお茶の用意をし、焼き菓子の乗った皿を並べるイリアーナ。
ラインアーサはお茶を飲みながらふと思った。イリアーナの属性は風と炎だ。実の姉弟でありながら、自身の持つそれとは異なる。
「なあ、姉上…」
「なあに? アーサ」
焼き菓子を食べるラインアーサを微笑ましく見守っていたイリアーナが機嫌良く返事をする。
「姉上の属性って、風と炎の属性だろ? やっぱり光の属性は使えないの?」
「まあ! 属性について調べていたの? ……そうね、わたしの属性はお父様から受け継いだ風と炎の力。残念ながらお父様からも、お母様からも光の力は受け継がなかったのよ」
「うん、俺も父上の炎の属性は継がなかったみたいで炎は使えないんだよな。当たり前だけど」
何時になく真面目な声で話すラインアーサにイリアーナは不思議そうに首を傾げた。
「それがどうかしたの? アーサ…」
「でも父上は風と光と炎の三つ属性を持ってるだろ。それって持って生まれる才能みたいなものなのかな?」
「そうね。両親から受け継ぐのだから、生まれる前から決まっているのかしらね…? わたしも良くは分からないわ」
明るい窓際の机にお茶の用意をし、焼き菓子の乗った皿を並べるイリアーナ。
ラインアーサはお茶を飲みながらふと思った。イリアーナの属性は風と炎だ。実の姉弟でありながら、自身の持つそれとは異なる。
「なあ、姉上…」
「なあに? アーサ」
焼き菓子を食べるラインアーサを微笑ましく見守っていたイリアーナが機嫌良く返事をする。
「姉上の属性って、風と炎の属性だろ? やっぱり光の属性は使えないの?」
「まあ! 属性について調べていたの? ……そうね、わたしの属性はお父様から受け継いだ風と炎の力。残念ながらお父様からも、お母様からも光の力は受け継がなかったのよ」
「うん、俺も父上の炎の属性は継がなかったみたいで炎は使えないんだよな。当たり前だけど」
何時になく真面目な声で話すラインアーサにイリアーナは不思議そうに首を傾げた。
「それがどうかしたの? アーサ…」
「でも父上は風と光と炎の三つ属性を持ってるだろ。それって持って生まれる才能みたいなものなのかな?」
「そうね。両親から受け継ぐのだから、生まれる前から決まっているのかしらね…? わたしも良くは分からないわ」