《完結》アーサ王子の君影草 ~ラインアーサの些かなる悩み事~
「ハリもか? 俺もちょっと調べ物してて、一人じゃあどうにも詰まってしまったから父上に聞こうと思って来たんだ。でも留守にしていたんだな…」
「何について調べているのですか?」
「ああ、俺は古代リノ族について…。古代リノ族の潜在能力が何なのか知りたくて、書庫にも行ったんだけど大した成果はなし。で、ハリは何を調べてるんだ?」
ハリは少し考える様な表情を浮かべたが、すぐに質問に答えてくれた。
「古代リノ族…? 私もあまり聞いたことないですね。───私の調べ物は自分自身の事についてですよ。最近妙な夢を繰り返し見るので……ですから、それについてジュストベル殿に相談に乗って頂いてました…」
「妙な夢? それって前にも言ってたハリの記憶に繋がる大事なものなんじゃ…!」
「ええ。ですから、本日も今からジュストベル殿の所へ伺う予定です」
「なんだ、そうだったのか…。俺、何も気づけなくて悪かったな」
「……いえ。では失礼します」
確かにそういった事情ならジュストベルに相談するのが一番かもしれない。
ラインアーサはあの晩に知ったルゥアンダ帝国の内情を話すか迷ったが、他言はしないとエリィと約束を交わしたので黙っている事にした。
「何について調べているのですか?」
「ああ、俺は古代リノ族について…。古代リノ族の潜在能力が何なのか知りたくて、書庫にも行ったんだけど大した成果はなし。で、ハリは何を調べてるんだ?」
ハリは少し考える様な表情を浮かべたが、すぐに質問に答えてくれた。
「古代リノ族…? 私もあまり聞いたことないですね。───私の調べ物は自分自身の事についてですよ。最近妙な夢を繰り返し見るので……ですから、それについてジュストベル殿に相談に乗って頂いてました…」
「妙な夢? それって前にも言ってたハリの記憶に繋がる大事なものなんじゃ…!」
「ええ。ですから、本日も今からジュストベル殿の所へ伺う予定です」
「なんだ、そうだったのか…。俺、何も気づけなくて悪かったな」
「……いえ。では失礼します」
確かにそういった事情ならジュストベルに相談するのが一番かもしれない。
ラインアーサはあの晩に知ったルゥアンダ帝国の内情を話すか迷ったが、他言はしないとエリィと約束を交わしたので黙っている事にした。