《完結》アーサ王子の君影草 ~ラインアーサの些かなる悩み事~
「そうなのか……」
それでもペンディ地区含め、夜間の旧市街での良い噂はあまり聞かない。
以前スズランに絡んでいた粗暴者の件もあった為、ラインアーサは少し気を張り昼から夕暮れ時にかけて旧市街を見て回ったのだが。
ラインアーサの心配は当てが外れたのか、旧市街の街並みは平和な生活を営む民で溢れており、不穏な影はどこにも見当たらない。肩透かしを食った気分だ。
「まあ、よかったじゃん? 俺たち民兵の護衛も、これまで以上警備を強化するしさ。アーサは今日まで頑張った分、少し休めば? 何かあったらすぐに知らせるし」
「勿論だよ。けど、休む訳には行かない。まだやらなきゃならない事はたくさんあるんだ」
「それってハリの事か? あいつお前に何も相談してこなかったんだろ。だったら少し様子を見ればいいんじゃあねぇの? ……なあ、そんな事よりお前。あれから一度もスズランちゃんの所に会いに行ってないだろ!」
「!? なっ? ジュリ、お前またあいつに何か余計な事したのか…?」
突如スズランの話題を持ち出したジュリアンに狼狽するラインアーサ。
「実は俺さぁ。この間スズランちゃんのいる酒場に同僚と飲みに行ったんだよね〜」
それでもペンディ地区含め、夜間の旧市街での良い噂はあまり聞かない。
以前スズランに絡んでいた粗暴者の件もあった為、ラインアーサは少し気を張り昼から夕暮れ時にかけて旧市街を見て回ったのだが。
ラインアーサの心配は当てが外れたのか、旧市街の街並みは平和な生活を営む民で溢れており、不穏な影はどこにも見当たらない。肩透かしを食った気分だ。
「まあ、よかったじゃん? 俺たち民兵の護衛も、これまで以上警備を強化するしさ。アーサは今日まで頑張った分、少し休めば? 何かあったらすぐに知らせるし」
「勿論だよ。けど、休む訳には行かない。まだやらなきゃならない事はたくさんあるんだ」
「それってハリの事か? あいつお前に何も相談してこなかったんだろ。だったら少し様子を見ればいいんじゃあねぇの? ……なあ、そんな事よりお前。あれから一度もスズランちゃんの所に会いに行ってないだろ!」
「!? なっ? ジュリ、お前またあいつに何か余計な事したのか…?」
突如スズランの話題を持ち出したジュリアンに狼狽するラインアーサ。
「実は俺さぁ。この間スズランちゃんのいる酒場に同僚と飲みに行ったんだよね〜」