《完結》アーサ王子の君影草 ~ラインアーサの些かなる悩み事~
ジュリアンは何故か得意気な表情になる。
「はあ? 何やってんだよ…。また変なこと言ったりしてないだろうな!?」
「まあまあ。心配するなって!」
「信用出来ないんだけど…」
「いやぁ、スズランちゃんさぁ。風邪気味だったってゆーか、毎晩あの森でお前を待ってるって言ってたぞ? 本当に一度も会いに行ってないのか?」
「……毎晩?」
「そう。毎日酒場の仕事が始まる前と終わった後に、あの森で偽警備員のお前の事を待ってるんだとよ?」
「…っ」
それを聞いたラインアーサは瞬きするのも忘れて黙り込んだ。
「何で会いに行かないんだよ! 昼間ならまだしも、夜間に森なんて危ないし冷えるし風邪引いて当前だろ? 俺だったら毎日会いに行っちゃうけどな〜」
「……」
「なあ、聞いてるのか? アーサ。俺、健気なスズランちゃんからこう言われたんだぜ。どうしたらあの人に会えますか? だって。……お前、もう正体明かしてやれよ」
昨晩も具合が悪く、無理をしていたのはそういう事だったとは。ならばラインアーサが風邪を引かせたも同然ではないか。
───夕陽が完全に沈み、辺りは徐々に薄暗くなって来ていた。
「……もう、いいんだよ。俺は」
「はあ? 何やってんだよ…。また変なこと言ったりしてないだろうな!?」
「まあまあ。心配するなって!」
「信用出来ないんだけど…」
「いやぁ、スズランちゃんさぁ。風邪気味だったってゆーか、毎晩あの森でお前を待ってるって言ってたぞ? 本当に一度も会いに行ってないのか?」
「……毎晩?」
「そう。毎日酒場の仕事が始まる前と終わった後に、あの森で偽警備員のお前の事を待ってるんだとよ?」
「…っ」
それを聞いたラインアーサは瞬きするのも忘れて黙り込んだ。
「何で会いに行かないんだよ! 昼間ならまだしも、夜間に森なんて危ないし冷えるし風邪引いて当前だろ? 俺だったら毎日会いに行っちゃうけどな〜」
「……」
「なあ、聞いてるのか? アーサ。俺、健気なスズランちゃんからこう言われたんだぜ。どうしたらあの人に会えますか? だって。……お前、もう正体明かしてやれよ」
昨晩も具合が悪く、無理をしていたのはそういう事だったとは。ならばラインアーサが風邪を引かせたも同然ではないか。
───夕陽が完全に沈み、辺りは徐々に薄暗くなって来ていた。
「……もう、いいんだよ。俺は」