《完結》アーサ王子の君影草 ~ラインアーサの些かなる悩み事~
「っ…うるさいな。面倒なんだよ、俺はあんな子供相手に本気にならないって!」
セィシェルの名を聞かされた瞬間、ラインアーサはついムキになってジュリアンに当たり散らしてしまった。
「……どっちがだよ。俺にから言わせればちゃんと正体も明かさずにこそこそしてるお前の方がよっぽどガキっぽいぜ! それにお前たちどう見てもお互いの事…」
「何でそんなにお節介なんだよ! その話はもうやめてくれ、俺はもうスズランに会うつもりは無い。……今日は一日お疲れ様。視察に同行してくれて助かったよ。じゃあな…」
図星を突かれ耳の痛いラインアーサはジュリアンに背を向けてその場を去ろうとしたものの、こちらに向かって走って来る一人の民兵護衛の警備員の姿を見つけ足を止めた。丁度街灯に明かりが灯り始め、その警備員の姿が鮮明になる。
「! ジュリ……あれ、エミリオじゃあないか? 慌てた様子だけど何かあったのか?」
「本当だ。なんだあいつあんなに慌てて、今にコケるぞ?」
そう言ったか言わないかの拍子に、エミリオという警備員は石畳に足を取られ転倒した。
「うわ、まじかよ!! エミリオ! 大丈夫か? どうしたんだよそんなに慌てて…」
セィシェルの名を聞かされた瞬間、ラインアーサはついムキになってジュリアンに当たり散らしてしまった。
「……どっちがだよ。俺にから言わせればちゃんと正体も明かさずにこそこそしてるお前の方がよっぽどガキっぽいぜ! それにお前たちどう見てもお互いの事…」
「何でそんなにお節介なんだよ! その話はもうやめてくれ、俺はもうスズランに会うつもりは無い。……今日は一日お疲れ様。視察に同行してくれて助かったよ。じゃあな…」
図星を突かれ耳の痛いラインアーサはジュリアンに背を向けてその場を去ろうとしたものの、こちらに向かって走って来る一人の民兵護衛の警備員の姿を見つけ足を止めた。丁度街灯に明かりが灯り始め、その警備員の姿が鮮明になる。
「! ジュリ……あれ、エミリオじゃあないか? 慌てた様子だけど何かあったのか?」
「本当だ。なんだあいつあんなに慌てて、今にコケるぞ?」
そう言ったか言わないかの拍子に、エミリオという警備員は石畳に足を取られ転倒した。
「うわ、まじかよ!! エミリオ! 大丈夫か? どうしたんだよそんなに慌てて…」