《完結》アーサ王子の君影草 ~ラインアーサの些かなる悩み事~
肩で息をしながら起き上がろうとするエミリオにジュリアンが駆け寄り手を差し出す。
「探しましたよ、ジュリアン先輩っ…! アーサ殿下もご一緒でしたか! ちょうど良かった…っ」
「……何かあったのか?」
普段のエミリオからはふんわりとした印象を受けるのだが、今はまるで真逆の緊迫した雰囲気を感じ取りラインアーサとジュリアンは顔を見合わせた。
「ええ、ノルテ地区で事件が起こりました! 今現在、陛下が現地にて直々に確認を取っているとの事ですが、一報によると誘拐事件のようです!」
「誘拐事件!?」
ラインアーサとジュリアンは同時に声をあげる。
「エミリオ! もう少し詳しい情報はないのか? それに、どうしてもう現地に父上がいるんだ…?」
「詳しい事は一旦王宮へ戻ってから説明します! 既に連絡隊が戻ってきている筈ですから」
エミリオに従い、ラインアーサはジュリアンと共に王宮へと急ぐ。王宮内は何時もより慌ただしく、出入りする警備隊や連絡隊の隊員で騒然としていた。
「探しましたよ、ジュリアン先輩っ…! アーサ殿下もご一緒でしたか! ちょうど良かった…っ」
「……何かあったのか?」
普段のエミリオからはふんわりとした印象を受けるのだが、今はまるで真逆の緊迫した雰囲気を感じ取りラインアーサとジュリアンは顔を見合わせた。
「ええ、ノルテ地区で事件が起こりました! 今現在、陛下が現地にて直々に確認を取っているとの事ですが、一報によると誘拐事件のようです!」
「誘拐事件!?」
ラインアーサとジュリアンは同時に声をあげる。
「エミリオ! もう少し詳しい情報はないのか? それに、どうしてもう現地に父上がいるんだ…?」
「詳しい事は一旦王宮へ戻ってから説明します! 既に連絡隊が戻ってきている筈ですから」
エミリオに従い、ラインアーサはジュリアンと共に王宮へと急ぐ。王宮内は何時もより慌ただしく、出入りする警備隊や連絡隊の隊員で騒然としていた。