《完結》アーサ王子の君影草 ~ラインアーサの些かなる悩み事~
「ありがとう二人とも。ではジュリ君。早速だがこの事件が落ち着くまでの間、新たに編成する警邏の隊長としての任務を君にお願いしてもいいかい?」
「っ…勿論です! 一刻も早く、民が安心して暮らせる街を取り戻して見せます」
「ああ、頼むよ」
ジュリアンが背筋を伸ばしてライオネルに一礼をする。
「ジュリ、俺も手伝うからな」
「……では、私もライアを守る為にご一緒します」
先程まで黙って話の成り行きを静観していたハリが突然発言し、その場の注目を集めた。
「なんだよ、ハリ…! 守るだなんて。俺はそんなに頼りないのか?」
「……いえ、そう言った意味ではなく。事件の首謀者の真意が分からない限り、闇雲に動くのは危険ではないかと思いまして」
「危険ってなんだよ」
「わざわざ一般の民を攫い、何の要求もして来ないのは妙です。今回も王族を狙うための牽制や偽装の可能性も考えられます。だとしたら、王子である貴方が狙われるかもしれません」
ハリの述べた意見にライオネルがはっと息を飲み、ラインアーサを見据えた。
「だからって。……それでも俺は、街の人々が危険にさらされてるのを安全な場所から見ているなんて出来ない!」
「っ…勿論です! 一刻も早く、民が安心して暮らせる街を取り戻して見せます」
「ああ、頼むよ」
ジュリアンが背筋を伸ばしてライオネルに一礼をする。
「ジュリ、俺も手伝うからな」
「……では、私もライアを守る為にご一緒します」
先程まで黙って話の成り行きを静観していたハリが突然発言し、その場の注目を集めた。
「なんだよ、ハリ…! 守るだなんて。俺はそんなに頼りないのか?」
「……いえ、そう言った意味ではなく。事件の首謀者の真意が分からない限り、闇雲に動くのは危険ではないかと思いまして」
「危険ってなんだよ」
「わざわざ一般の民を攫い、何の要求もして来ないのは妙です。今回も王族を狙うための牽制や偽装の可能性も考えられます。だとしたら、王子である貴方が狙われるかもしれません」
ハリの述べた意見にライオネルがはっと息を飲み、ラインアーサを見据えた。
「だからって。……それでも俺は、街の人々が危険にさらされてるのを安全な場所から見ているなんて出来ない!」