《完結》アーサ王子の君影草 ~ラインアーサの些かなる悩み事~
「っな!? 何するんですか!! 貴方は時折意味のわからない事をしますよね」
少し怒った様な口調でハリは一旦お茶の入ったカップを窓際の台に置き、零して汚してしまった場所を掃除しだした。
「いや、だってお前があんまり元気ないから眠いのかと思って」
ラインアーサは小さく口角を上げにやりと笑う。
「眠いのは貴方の方でしょう? 先程まで寝ていたじゃあないですか」
「まあ、そうだけど。ハリはさ、もっと感情を表に出してもいいと思うよ。溜め込みすぎると疲れるって」
「……はあ、それは誰かさんのおかげで余計疲れるという事です?」
ハリの鋭い目線がラインアーサに突き刺さるが、それを難なく躱し軽い調子で続けた。
「それはそうと、ハリだって家族が見つかれば会いたいって思うだろ?」
「……まあ。それはそうですね」
そう答えたハリにラインアーサは満足して頷いた。
「さてと。じゃあ俺、ちょっと隣の様子を見てくるよ」
ラインアーサは席を立ち個室の扉に手をかけたが、ふと思い出したことを呟いた。
少し怒った様な口調でハリは一旦お茶の入ったカップを窓際の台に置き、零して汚してしまった場所を掃除しだした。
「いや、だってお前があんまり元気ないから眠いのかと思って」
ラインアーサは小さく口角を上げにやりと笑う。
「眠いのは貴方の方でしょう? 先程まで寝ていたじゃあないですか」
「まあ、そうだけど。ハリはさ、もっと感情を表に出してもいいと思うよ。溜め込みすぎると疲れるって」
「……はあ、それは誰かさんのおかげで余計疲れるという事です?」
ハリの鋭い目線がラインアーサに突き刺さるが、それを難なく躱し軽い調子で続けた。
「それはそうと、ハリだって家族が見つかれば会いたいって思うだろ?」
「……まあ。それはそうですね」
そう答えたハリにラインアーサは満足して頷いた。
「さてと。じゃあ俺、ちょっと隣の様子を見てくるよ」
ラインアーサは席を立ち個室の扉に手をかけたが、ふと思い出したことを呟いた。