《完結》アーサ王子の君影草 ~ラインアーサの些かなる悩み事~
「……何故、そんな事を気にするのかな? その能力の事を知ってどうするんだい? アーサ」
ライオネルの纏う雰囲気が一変した様に感じた。先程までの気軽な口調は変わらないものの、声の調子が若干低くなっている。さも、聞いて欲しくないといった気配に圧倒されてしまいそうだ。
思い返せば昨日、書庫にてイリアーナに同じ質問をした直後に様子がおかしくなったのも気になる。
「……もしかして父上も姉上も何か知ってるのか? 俺だけ知らないって事? 昔、俺がジュストベルの授業をサボった所為なんだったら今からでも…」
「アーサ。ジュストベルに尋ねても無駄だよ。その件については誰に聞いても、詳細は教えられない…。特にお前にはな」
「な…っ何だよそれ! 俺だけが知らないだなんて気持ちが悪いよ! 何でだよ父上。俺はただ古代リノ族の能力と古の術の関係性について知りたいだけなんだ…!」
「古の術……だと?」
その言葉を耳にした途端にライオネルの眼光が更に鋭くなるが、ラインアーサも負けじと青玉の双眸を見つめ返した。
「……そうだよ。俺は古の術を使えるようになりたいんだ。術の幅を広げてもっと父上や周りの皆の力になりたい」
ライオネルの纏う雰囲気が一変した様に感じた。先程までの気軽な口調は変わらないものの、声の調子が若干低くなっている。さも、聞いて欲しくないといった気配に圧倒されてしまいそうだ。
思い返せば昨日、書庫にてイリアーナに同じ質問をした直後に様子がおかしくなったのも気になる。
「……もしかして父上も姉上も何か知ってるのか? 俺だけ知らないって事? 昔、俺がジュストベルの授業をサボった所為なんだったら今からでも…」
「アーサ。ジュストベルに尋ねても無駄だよ。その件については誰に聞いても、詳細は教えられない…。特にお前にはな」
「な…っ何だよそれ! 俺だけが知らないだなんて気持ちが悪いよ! 何でだよ父上。俺はただ古代リノ族の能力と古の術の関係性について知りたいだけなんだ…!」
「古の術……だと?」
その言葉を耳にした途端にライオネルの眼光が更に鋭くなるが、ラインアーサも負けじと青玉の双眸を見つめ返した。
「……そうだよ。俺は古の術を使えるようになりたいんだ。術の幅を広げてもっと父上や周りの皆の力になりたい」