《完結》アーサ王子の君影草 ~ラインアーサの些かなる悩み事~
「……どうした? 何時にも増してひでぇ顔してるぞ、アーサ」
そうジュリアンに声をかけられたが、そう言った当人もだいぶ寝不足気味な顔をしていた。
「ん、ちょっと寝付きが悪かったからな。そう言うジュリこそあんまり本調子じゃあなさそうだけど?」
「俺も大して眠れなかったんだ。でも今回事件の警邏隊の隊長を任されたんだ、しっかり気を引き締めないとな!」
何時もは茶目っ気の多い態度のジュリアンだが、今日はとても気合いが入っている。昨晩は一晩中、真面目に警備の計画を練っていたのだろう。
それに比べ、自身が眠れなかった理由が不純すぎて申し訳ない気持ちになった。不意に隣に立つハリの顔を見ると、彼もまたあまり顔色が良いとは言えない様だ。
「ハリは大丈夫なのか? 顔色がいつもより悪いみたいだけど酷いなら王宮で待機してても…」
「いえ。少し頭痛がありますが、問題ないです。さあ、私たちもジュリアンさんに付いて行きましょう……」
「そうだな」
───ジュリアンに続き警備隊の訓練場へ到着する。そこで警邏隊へと選出された隊員達と合流し、一班三人体制でいくつかの班を結成した。
そうジュリアンに声をかけられたが、そう言った当人もだいぶ寝不足気味な顔をしていた。
「ん、ちょっと寝付きが悪かったからな。そう言うジュリこそあんまり本調子じゃあなさそうだけど?」
「俺も大して眠れなかったんだ。でも今回事件の警邏隊の隊長を任されたんだ、しっかり気を引き締めないとな!」
何時もは茶目っ気の多い態度のジュリアンだが、今日はとても気合いが入っている。昨晩は一晩中、真面目に警備の計画を練っていたのだろう。
それに比べ、自身が眠れなかった理由が不純すぎて申し訳ない気持ちになった。不意に隣に立つハリの顔を見ると、彼もまたあまり顔色が良いとは言えない様だ。
「ハリは大丈夫なのか? 顔色がいつもより悪いみたいだけど酷いなら王宮で待機してても…」
「いえ。少し頭痛がありますが、問題ないです。さあ、私たちもジュリアンさんに付いて行きましょう……」
「そうだな」
───ジュリアンに続き警備隊の訓練場へ到着する。そこで警邏隊へと選出された隊員達と合流し、一班三人体制でいくつかの班を結成した。