《完結》アーサ王子の君影草 ~ラインアーサの些かなる悩み事~
奥の倉庫から裏庭へと上る階段を見つけ、駆け上がり勢い良く扉を開け放つ。そのまま裏庭に飛び出すと、依然として止みそうにない大粒の雨の中で必死に酒樽や酒瓶を片付けているスズランの姿があった。
「っ…スズラン!!」
すぐ様駆け寄り性急にその細い身体を抱きしめる。
「きゃ…っ!」
突然の事に驚いたスズランの手から空き瓶がするりと滑る。しかし落下直前で素早く瓶を受け止めそのままそっと地面に置くとラインアーサは改めてスズランを抱きしめた。荒い呼吸を整え声を絞り出す。
「……ょ か、、た…っ!」
「っ…なんで、どうして……ライアがいるの?」
甘く香る君影草。澄んだ声。
華奢だが女性らしい身体、柔らかい髪。抱きしめながら全てを確かめラインアーサは漸く安堵した。
「……よかった、無事で…っ」
「っや、、離して…! 突然なんなの?」
「っ…スズラン、話がある。とりあえず早く中に入ろう」
ラインアーサはあくまでもスズランを腕に抱いたまま酒場の中へと移動しようとする。しかしスズランが小さな抵抗を見せた。
「やだ! はなしてっ! わたしに触らないで!!」
「……っ」
「っ…スズラン!!」
すぐ様駆け寄り性急にその細い身体を抱きしめる。
「きゃ…っ!」
突然の事に驚いたスズランの手から空き瓶がするりと滑る。しかし落下直前で素早く瓶を受け止めそのままそっと地面に置くとラインアーサは改めてスズランを抱きしめた。荒い呼吸を整え声を絞り出す。
「……ょ か、、た…っ!」
「っ…なんで、どうして……ライアがいるの?」
甘く香る君影草。澄んだ声。
華奢だが女性らしい身体、柔らかい髪。抱きしめながら全てを確かめラインアーサは漸く安堵した。
「……よかった、無事で…っ」
「っや、、離して…! 突然なんなの?」
「っ…スズラン、話がある。とりあえず早く中に入ろう」
ラインアーサはあくまでもスズランを腕に抱いたまま酒場の中へと移動しようとする。しかしスズランが小さな抵抗を見せた。
「やだ! はなしてっ! わたしに触らないで!!」
「……っ」