《完結》アーサ王子の君影草 ~ラインアーサの些かなる悩み事~
両者供一歩も引かず睨み合いが続く。
つい手に力を込めてしまいラインアーサに腕を掴まれていたスズランが痛みに顔を歪ませる。
「ライアっ、、腕……いたい! はなして…っ」
「わ、悪い! つい……大丈夫か?」
スズランの悲鳴にすぐ手の力を緩めたが、白く細い腕にはくっきりと赤く指の痕が着いてしまっていた。スズランの瞳から大粒の涙が溢れ落ちる。
「っ…いたいよ、、」
「痛くするつもりじゃあっ…わ、悪かった! 泣かないでくれ!」
ラインアーサは痛みを軽減しようと即座に癒しの風を施した。赤味は消え去り、痛みも殆どなくなった筈だ。しかしスズランの涙は止まるどころか増して溢れ出した。どうしたら良いのかわからず慌ててスズランの顔を覗き込む。だが、そうすると露骨に顔を背けられてしまう。
「っ…ふ、、…っうう」
「ああ、もう。本当悪かったよ! お願いだ、泣かないで……」
おろおろと狼狽えるラインアーサの横でセィシェルのあからさまな溜息が聞こえてくる。
「はぁぁ…。何が守りたいだ。あんたが一番スズを傷つけてるじゃあねえか…!!」
「俺が、スズランを傷つけている…? どうしてそうなるんだよ…」
つい手に力を込めてしまいラインアーサに腕を掴まれていたスズランが痛みに顔を歪ませる。
「ライアっ、、腕……いたい! はなして…っ」
「わ、悪い! つい……大丈夫か?」
スズランの悲鳴にすぐ手の力を緩めたが、白く細い腕にはくっきりと赤く指の痕が着いてしまっていた。スズランの瞳から大粒の涙が溢れ落ちる。
「っ…いたいよ、、」
「痛くするつもりじゃあっ…わ、悪かった! 泣かないでくれ!」
ラインアーサは痛みを軽減しようと即座に癒しの風を施した。赤味は消え去り、痛みも殆どなくなった筈だ。しかしスズランの涙は止まるどころか増して溢れ出した。どうしたら良いのかわからず慌ててスズランの顔を覗き込む。だが、そうすると露骨に顔を背けられてしまう。
「っ…ふ、、…っうう」
「ああ、もう。本当悪かったよ! お願いだ、泣かないで……」
おろおろと狼狽えるラインアーサの横でセィシェルのあからさまな溜息が聞こえてくる。
「はぁぁ…。何が守りたいだ。あんたが一番スズを傷つけてるじゃあねえか…!!」
「俺が、スズランを傷つけている…? どうしてそうなるんだよ…」