《完結》アーサ王子の君影草 ~ラインアーサの些かなる悩み事~
「また自覚なしかよ? 俺は…。絶対に認めたくないけど、だけど…っスズが好きなのは俺じゃあなくてあんたなんだよ…! なのにあんたはっ…」
「やめて…っ!」
スズランが懸命に首を振りながらセィシェルに向かって叫んだ。ラインアーサは突然の話の流れについてゆけず、再度質問を投げかける。
「…? っ…今なんて……」
するとセィシェルが苛立ちを露わに半ば怒鳴る様な口調で繰り返した。
「だからっっ! まだわかんないのかよ…! スズはあんたが好きなんだ!!」
「?! …っなに、言って……そんな訳、ないだろ」
にわかに信じられないラインアーサは確認する様にスズランに視線を戻すが、本人は俯いたままでどんな表情をしているのか窺い知る事が出来ない。
「……勝手な事を言わないで…っ! わたし、あなたの事なんて好きじゃないっ!!」
「っ!」
やはり予想通りの返答だ。そんな事わざわざ言われなくても知っている。しかしそこにセィシェルが反論した。
「どうだかな。お前、最近毎日溜息ついてばっかじゃあねーか! こいつの事好きなんだろ? その位お前を見てれば分かる……」
「っちがう! 好きじゃない!」
「やめて…っ!」
スズランが懸命に首を振りながらセィシェルに向かって叫んだ。ラインアーサは突然の話の流れについてゆけず、再度質問を投げかける。
「…? っ…今なんて……」
するとセィシェルが苛立ちを露わに半ば怒鳴る様な口調で繰り返した。
「だからっっ! まだわかんないのかよ…! スズはあんたが好きなんだ!!」
「?! …っなに、言って……そんな訳、ないだろ」
にわかに信じられないラインアーサは確認する様にスズランに視線を戻すが、本人は俯いたままでどんな表情をしているのか窺い知る事が出来ない。
「……勝手な事を言わないで…っ! わたし、あなたの事なんて好きじゃないっ!!」
「っ!」
やはり予想通りの返答だ。そんな事わざわざ言われなくても知っている。しかしそこにセィシェルが反論した。
「どうだかな。お前、最近毎日溜息ついてばっかじゃあねーか! こいつの事好きなんだろ? その位お前を見てれば分かる……」
「っちがう! 好きじゃない!」