《完結》アーサ王子の君影草 ~ラインアーサの些かなる悩み事~
「……エテジアーナ様はそれに気付いた周りが、必死に止めるのも聞かず力を使い続けた。そうしてお身体を弱らせてしまわれたのです」
「っ…力を、使い過ぎて…?」
ラインアーサは絶句した。今まで知り得なかった事実に衝撃を受け、考えが上手く纏まらない。そんなラインアーサの心中を察してか、ユージーンもそれ以上は何も口に出さず俯いていた。
暫くの間、重苦しい空気がその場を包んだが、やっとのことで声を絞り出す。
「……マスター、色々とありがとう。俺はそろそろ、お暇するよ」
するとユージーンはいつもの穏やかな表情に立ち戻り弾かれた様にこちらを向いた。
「いえ…! こちらこそわざわざご足労頂いてしまい申し訳ありませんでした!! 我が子たちの無礼な態度にも今一度!」
「本当にいいって! マスターが煎れてくれた珈琲、美味かったし」
ラインアーサはそう言いながら平時の様に笑って見せる。するとユージーンは先程とはまた違った真剣な面持ちでこちらに詰め寄った。
「……アーサ様」
「? どうしたんだ? マスター。そんなにかしこまって」
まだエテジアーナの事について何かあるのかと聞き構える。
「っ…力を、使い過ぎて…?」
ラインアーサは絶句した。今まで知り得なかった事実に衝撃を受け、考えが上手く纏まらない。そんなラインアーサの心中を察してか、ユージーンもそれ以上は何も口に出さず俯いていた。
暫くの間、重苦しい空気がその場を包んだが、やっとのことで声を絞り出す。
「……マスター、色々とありがとう。俺はそろそろ、お暇するよ」
するとユージーンはいつもの穏やかな表情に立ち戻り弾かれた様にこちらを向いた。
「いえ…! こちらこそわざわざご足労頂いてしまい申し訳ありませんでした!! 我が子たちの無礼な態度にも今一度!」
「本当にいいって! マスターが煎れてくれた珈琲、美味かったし」
ラインアーサはそう言いながら平時の様に笑って見せる。するとユージーンは先程とはまた違った真剣な面持ちでこちらに詰め寄った。
「……アーサ様」
「? どうしたんだ? マスター。そんなにかしこまって」
まだエテジアーナの事について何かあるのかと聞き構える。