《完結》アーサ王子の君影草 ~ラインアーサの些かなる悩み事~
「不躾な事を申しあげて大変恐縮ではございますが……アーサ様はスズランを好いていらっしゃるのですか…?」
唐突に己の確信を突かれ、瞬時に顔が上気した。恥ずかしさの余り思わず掌で口元を抑える。
「マスターには、そう……見えるのか?」
「いえ、あの。ええどう考えても。違うのですか?」
最早羞恥でユージーンの顔が見れない。
「う、見えるのか……それは本人も気付いているだろうか?」
「いえ、あの子はそう言った事には疎いのです…。私が男手一つで少々箱入りに育ててしまったせいか」
ユージーンが困り果てた様に苦笑する。
「マスター。でも俺は今すぐにスズランを…って訳じゃあないんだ! 今はただ守りたい。本当にそれだけで」
「わかりますよ。私は貴方様になら…。しかし、あの子は大事なお方から…、いや。この話はまたの機会に」
「…??」
ユージーンが深妙な面持ちでそう呟いた。スズランについて何か知っているのだろうか。それはそれでとても気に掛かるが、話を切り上げられてしまったため一先ず席を立った。
「アーサ様。まだ雨は上がっていない様なので、差し支えが無ければ是非こちらの傘をお使いください」
唐突に己の確信を突かれ、瞬時に顔が上気した。恥ずかしさの余り思わず掌で口元を抑える。
「マスターには、そう……見えるのか?」
「いえ、あの。ええどう考えても。違うのですか?」
最早羞恥でユージーンの顔が見れない。
「う、見えるのか……それは本人も気付いているだろうか?」
「いえ、あの子はそう言った事には疎いのです…。私が男手一つで少々箱入りに育ててしまったせいか」
ユージーンが困り果てた様に苦笑する。
「マスター。でも俺は今すぐにスズランを…って訳じゃあないんだ! 今はただ守りたい。本当にそれだけで」
「わかりますよ。私は貴方様になら…。しかし、あの子は大事なお方から…、いや。この話はまたの機会に」
「…??」
ユージーンが深妙な面持ちでそう呟いた。スズランについて何か知っているのだろうか。それはそれでとても気に掛かるが、話を切り上げられてしまったため一先ず席を立った。
「アーサ様。まだ雨は上がっていない様なので、差し支えが無ければ是非こちらの傘をお使いください」