《完結》アーサ王子の君影草 ~ラインアーサの些かなる悩み事~
「え…! お風呂? わたし別にいい! この外衣だけでとてもあったかいし、服が乾いたらすぐに帰るからっ…」
「でも疲れてるだろ? ……何なら俺が背中、流してやろうか?」
ラインアーサはスズランの手を引き、浴室の前まで促がすとからかう様に笑って見せた。
「なっ…冗談言わないで! だ、大丈夫です、ひとりで入れますっ!!」
スズランは少し頬を膨らませ、真っ赤になりながら浴室に入って行った。
「ふ……扱いやすい奴…」
そう小さく苦笑すると、ラインアーサは機嫌良くお茶の用意を始める。緊張や疲れを解く効果のある香草の茶葉を選んだ。
───しかし、結構な時間が経ってもスズランが浴室から出てこない。
「おい、スズラン? どうかしたのか??」
浴室の扉を軽く叩き声を掛けるも、中からの反応は無い。
「……入るぞ? いいか?」
少し考えるも、意を決して浴室に入ると浴槽の中でスズランがぐったりとしていた。長湯で逆上せたのだろうか。
「ああ、もう! もっと早く声をかければよかったな」
ラインアーサは急いでスズランを浴槽から抱き上げ、火照った身体を素早く外衣で包みベッドへ運ぶ。その際、極力身体を見ない様に務めた。
「でも疲れてるだろ? ……何なら俺が背中、流してやろうか?」
ラインアーサはスズランの手を引き、浴室の前まで促がすとからかう様に笑って見せた。
「なっ…冗談言わないで! だ、大丈夫です、ひとりで入れますっ!!」
スズランは少し頬を膨らませ、真っ赤になりながら浴室に入って行った。
「ふ……扱いやすい奴…」
そう小さく苦笑すると、ラインアーサは機嫌良くお茶の用意を始める。緊張や疲れを解く効果のある香草の茶葉を選んだ。
───しかし、結構な時間が経ってもスズランが浴室から出てこない。
「おい、スズラン? どうかしたのか??」
浴室の扉を軽く叩き声を掛けるも、中からの反応は無い。
「……入るぞ? いいか?」
少し考えるも、意を決して浴室に入ると浴槽の中でスズランがぐったりとしていた。長湯で逆上せたのだろうか。
「ああ、もう! もっと早く声をかければよかったな」
ラインアーサは急いでスズランを浴槽から抱き上げ、火照った身体を素早く外衣で包みベッドへ運ぶ。その際、極力身体を見ない様に務めた。