《完結》アーサ王子の君影草 ~ラインアーサの些かなる悩み事~
───いや。前々から純真だとは思っていたがまさか……。
「ライアの……?」
「…!?」
その回答に驚愕しつつも確信した。
スズランはまだ何も知らないのだ。これ程迄無垢な相手に、無理矢理自分の欲望を押し付けるなんて事は出来ない。そんな事をしたら本当に嫌われてしまう。
「なんでもない…っ」
ラインアーサはスズランからそっと身体を離し、寝返りを打って背を向けた。
「どうして、離れちゃうの? わたし何かいけないこと言った?」
「言ってない…。俺の方こそ変な事して悪かった。朝早いんだったな、もう眠ろう」
「……ライア…。何か怒ってる?」
「怒ってないよ」
「……じゃあ、こっち向いて…っ」
今にも泣き出しそうな声に慌てて振り向くとスズランもこちら側に身体を向けていた。向かい合う形になってしまい焦る。
「わ、スズラン!!」
「ごめんなさいライア…っ」
「お、お前が謝るのはおかしい! 俺が悪いんだ、ごめん! ああ、だからもう!!」
「ライア、怒ってないの?」
「ん、怒ってない」
「よかった……ライアに嫌われたら、わたし…」
「あのさ…。さっきからそれ、どういう意味?」
「ライアの……?」
「…!?」
その回答に驚愕しつつも確信した。
スズランはまだ何も知らないのだ。これ程迄無垢な相手に、無理矢理自分の欲望を押し付けるなんて事は出来ない。そんな事をしたら本当に嫌われてしまう。
「なんでもない…っ」
ラインアーサはスズランからそっと身体を離し、寝返りを打って背を向けた。
「どうして、離れちゃうの? わたし何かいけないこと言った?」
「言ってない…。俺の方こそ変な事して悪かった。朝早いんだったな、もう眠ろう」
「……ライア…。何か怒ってる?」
「怒ってないよ」
「……じゃあ、こっち向いて…っ」
今にも泣き出しそうな声に慌てて振り向くとスズランもこちら側に身体を向けていた。向かい合う形になってしまい焦る。
「わ、スズラン!!」
「ごめんなさいライア…っ」
「お、お前が謝るのはおかしい! 俺が悪いんだ、ごめん! ああ、だからもう!!」
「ライア、怒ってないの?」
「ん、怒ってない」
「よかった……ライアに嫌われたら、わたし…」
「あのさ…。さっきからそれ、どういう意味?」