《完結》アーサ王子の君影草 ~ラインアーサの些かなる悩み事~
「あー、……えっと。朝からその給仕服だと少し目のやり場に困るから」
「そ、そうなの?」
「俺、そっちの続き間に行ってるから着替えたら声かけてくれよ」
「うん……」
ラインアーサはベッドの上のカップを拾いあげ、奥の部屋へと一旦移動した。
「ああ、くそっ何してんだ俺は…。もしジルが来なかったら俺はあのままスズランを……いや、これでよかったんだ」
昂ぶる気持ちを落ち着かせようと自身に言い聞かせる。
「もう一度お茶を淹れよう」
───ラインアーサも着替えて暫くするとスズランが遠慮がちに声を掛けてきた。
「ねえライア……これ、変じゃないかな?」
「みせて?」
続き間の入口から恥じらう様にして姿を見せるスズラン。以前街で助けた時も、森にマントを返しに来たときも、街娘たちが好んで着る流行りの服ではなく動き易さを重視した服装だった。
ラインアーサの選んだあっさりとした白いローブは華奢なスズランの印象を美しく見せた。さり気なく裾や胸元にあしらってあるレースが更に可憐な姿を演出している。
スズランのその姿にすっかり見惚れてたしまったラインアーサは、思わず飲んでいたお茶のカップを落としそうになった。
「そ、そうなの?」
「俺、そっちの続き間に行ってるから着替えたら声かけてくれよ」
「うん……」
ラインアーサはベッドの上のカップを拾いあげ、奥の部屋へと一旦移動した。
「ああ、くそっ何してんだ俺は…。もしジルが来なかったら俺はあのままスズランを……いや、これでよかったんだ」
昂ぶる気持ちを落ち着かせようと自身に言い聞かせる。
「もう一度お茶を淹れよう」
───ラインアーサも着替えて暫くするとスズランが遠慮がちに声を掛けてきた。
「ねえライア……これ、変じゃないかな?」
「みせて?」
続き間の入口から恥じらう様にして姿を見せるスズラン。以前街で助けた時も、森にマントを返しに来たときも、街娘たちが好んで着る流行りの服ではなく動き易さを重視した服装だった。
ラインアーサの選んだあっさりとした白いローブは華奢なスズランの印象を美しく見せた。さり気なく裾や胸元にあしらってあるレースが更に可憐な姿を演出している。
スズランのその姿にすっかり見惚れてたしまったラインアーサは、思わず飲んでいたお茶のカップを落としそうになった。